目次

1.動脈硬化や高血圧が気になる人へ

動脈硬化が気になる人は、コレステロール値を下げる食品と組み合わせて
大豆のたんぱく質や、脂質のリノール酸、レシチンなどは、血液中のコレステロール値を下げる働きがありますから、動脈硬化が気になる人は、積極的に豆腐などの大豆食品をとりたいものです。たんぱく質源が肉に偏っていると、どうしても動物性脂肪のとりすぎになりがちです。利用範囲の広い豆腐を上手に使って、植物性食品をとる習慣をつけるとよいでしょう。

豆腐の仲間の中でも、とくに凍り豆腐にはコレステロール値を下げる作用が強いといわれます。 薄味にしたててたくさん食べたいものです。

また、大豆同様にコレステロール値を下げるといわれているものに、しいたけがあります。やはり食物繊維が多いためと考えられていましたが、最近では、しいたけの「エリタデニン」という成分にコレステロール値を下げる働きがあることがわかってきました。

あじやいわしなどの青み魚にも、EPAやDHAという、やはりコレステロール値の低下作用のある成分が含まれています。豆腐とこうしたものを組み合わせた料理も、動脈硬化の気になる人にはおすすめです。

高血圧予防には薄味料理を
豆腐は高血圧を防ぐにもよい食品ですが、気をつけたいのは、味が淡白なために、とくに冷や奴など、味つけに塩分の多いしょうゆを使うことが多いことです。たっぷりしょうゆをかけて食べるのでは、せっかくの豆腐の降圧効果も意味がなくなってしまいます。

塩分の摂取量は、現在日本人1人当たり平均1日12gくらいですが、これを10g以下にすることが目標とされています。すでに高血圧になっている人は、人によって違いますが、7g以下にすることを目安としているようです。 こいくちのしょうゆは、小さじ一杯で1g弱の塩分が含まれていることを覚えておきましょう。

高血圧には、塩分調整作用のあるカリウムをとることも大切なので、その点でも豆腐はぴったりの食品です。 ちなみに、カリウムの含有量は、もめん豆腐よりきぬごし豆腐のほうが多いので、血圧が気になる人はきぬごし豆腐がいいかもしれません。充填豆腐はきぬごし豆腐よりさらにカリウムが豊富ですが、ナトリウムも同様に多いのです。

ところで、減塩には薄味に慣れることがまず大切ですが、それには酢を利用したり、濃いだしを使うとよいといわれます。しょうゆを少し加えたドレッシングを作って豆腐にかけたり、湯豆腐ならツユのだしを濃くしてしょうゆを少なめにするなど、工夫してみてください。

揚げだし豆腐や豆腐ステーキのように、油を使って揚げたり焼いたりするのも、淡白な豆腐の味を濃厚にするのに役立ちます。ただ、高血圧は肥満の人に多いので、油のカロリーには注意が必要でしょう。

胃腸の弱い人には温かい料理がおすすめ
豆腐はたいへん消化がよいので、胃腸の弱い人、食欲のない人などにはうってつけの食品です。

病後や胃腸の調子が悪い人などは、おかゆに豆腐料理、みそ汁といった「かゆ食」をおすすめします。コメに不足しがちなリジンスレオニントリプトファンなどの必須アミノ酸を豆腐やみそがカバーし、大豆に少ないメチオニンシスチンなどをコメがカバーするといった具合にお互いの弱点をうまく補い合って、たんぱく質のアミノ酸バランスがよくなります。ところで、体を冷やすと血行が悪くなり、胃の働きはさらに不活発になりますから、豆腐料理はなるべく温かいものがよいでしょう。

温かい豆腐料理で馴染み深いのは湯豆腐ですが、江戸時代の儒学者で、本草学者でもあった貝原益軒は、豆腐を湯で温め、その上に大根おろしをのせて食べると体によいと記録しているそうです。昔から豆腐と大根の組み合わせはよいといわれますから、こんな温かい豆腐料理も試してみてはいかがでしょうか。

あんかけ料理もたいへん体が温まります。 血液循環をよくし、胃腸の働きを活発にさせるといわれるサンザシなどを加えるのも、胃腸の回復を助けてくれるでしょう。


2.ダイエットや美容が気になる人へ
ダイエット中の人はボリューム感のある料理を工夫
美容のため、あるいは糖尿病や高血圧のために肥満解消をしなくてはならない人にとって、豆腐料理はとても魅力的に思えます。豆腐の淡白な味が、低カロリー食品のように感じられるのでしょう。

ところが、豆腐にはたんぱく質や脂質が多いため、意外とカロリーはあるのです。300gのもめん豆腐一丁は約230kcalですから、ごはん一膳分以上に当たります。 ダイエット中はカロリーだけに気をとられて栄養が偏りがちですから、豆腐のようにまんべんなく栄養素のとれる食品を積極的に食事に取り入れていきたいもの。

そこで、冷や奴や湯豆腐など、見た目にもあっさりした食べ方ではなく、ほかの低カロリー食品と組み合わせた料理を工夫するといいでしょう。ボリュームある料理になって腹もちがよくなるだけでなく、見た目にも量が多いと食べることの満足感が得られます。

とくに、わかめや野菜など、カロリーが低いうえに、栄養の吸収を多少低下させる食物繊維が豊富な食品との組み合わせがおすすめです。ダイエットにはゆっくり食べることも大切なので、軟らかい豆腐ばかりでなくこうした食品といっしょにとることで、時間をかけてかむことにもつながります。 味つけが濃いとついご飯を食べすぎてしまいますから、薄味を心掛けることも大切です。

美容には動物性たんぱく質とビタミンCを加える
豆腐には、ビタミンEをはじめとして、皮膚によいビタミン類がたくさん含まれています。大豆のたんぱく質も、皮膚の細胞を作っていくのに欠かせない栄養です。でもだからといって、豆腐だけ食べていれば肌がきれいになるというわけにはいきません。

私たちの肌の表面はケラチンというたんぱく質でできているのですが、ケラチンを作るには、動物性たんぱくに多く含まれているアミノ酸がたくさん必要なのです。

そこでたんぱく質は1日卵1個、魚一切れ、肉60g、そして豆腐3分の一丁ぐらいの割合と量で食べるといいといわれます。全体的な栄養はもちろん、たんぱく質源も一食品に偏らず、まんべんなくとっているのが一番いいわけです。 麻婆豆腐や、たらを入れた湯豆腐などは、肉や魚を一緒に食べられる点で、美容にもいい料理といえるかもしれません。

また豆腐には、皮膚に張りをもたせたり、紫外線によるしみ・そばかすができるのを防ぐビタミンCが、ほとんど含まれないという弱点があります。 いちご、キウイなどの果物を多くとるように注意したり、ブロッコリーやピーマンなど、 ビタミンCの豊富な野菜を食べ合わせていくようにしましょう。豆腐サラダにブロッコリー などを加えると、美容効果にプラスしてヘルシーさがぐんとアップしそうです。



3.ビジネスマンや酒飲みの人へ
ビジネスマンは豆腐とわかめのみそ汁を見直そう
朝はぎりぎりまで寝ていて、朝食はコーヒーとトーストだけ。忙しいビジネスマンにこういう人が多いのではないでしょうか。

でも、忙しい人だからこそ、朝食はしっかり食べ、その日一日の活力を十分に蓄えてから出かけたいものです。そのためにも、効率のよいエネルギー源であるご飯と、豆腐とわかめのみそ汁といった朝食を見直してみませんか。

豆腐とみそにはたんぱく質やビタミン、ミラネルがたっぷり含まれ、わかめには、豆腐に含まれない食物繊維やビタミンA(カロチン) ビタミンCが豊富に含まれています。

わかめにはミネラルも多く、とくにカルシウムは牛乳の4.9倍も含まれています。さらに 最近では、わかめなどの海藻から「活性アミノ酸カルシウム」という、ひじょうに吸収効率のよいカルシウムが発見され、カルシウム摂取に大切な食品であることもわかってきました。一方豆腐にも大豆のカルシウムがたっぷり含まれています。

ビジネス社会で生きることは、いってみればストレスとの戦い。イライラすることも多いでしょうが、カルシウムには神経を落ち着かせてくれる作用があります。豆腐とわかめの相乗効果で、ストレスに立ち向かえる力がつくというわけです。 加えて、豆腐とみそに含まれるレシチンが脳の働きを高めてくれます。

酒飲みの体を守る健康的な肴
昔から「酒は百薬の長」といわれるように、適量であるかぎりは、お酒には薬的な効果があるといわれます。でも飲みすぎれば、血圧を上げたり、肝臓を悪くするなどの弊害が大きくなります。

少なくとも酒の害をなるべく抑えるには、良質のたんぱく質を肴にして飲むとよいと、よくいわれます。簡単にいえば、たんぱく質は肝臓でのアルコール分解能力を高めてくれるからです。 アルコールを分解する仕事が激しくなれば、肝臓の細胞は過労で破壊されがちにもなります。

その細胞を修復させるのにも、やはりたんぱく質が必要です。 刺し身や豆腐料理などのたんぱく源が、昔から酒飲みに好んで食べられてきたのも、これらの理屈はわからなくても、経験上わかっていたからでしょう。

酒の友に冷や奴や湯豆腐もいいのですが、アルコールが肝臓まで送られない、つまりは胃から吸収されるのを抑えるには、多少油っぽい料理がよいといわれます。胃壁に油の膜を作り、アルコールが吸収されるのを防ぐためです。 油といっても動物性脂肪は、肝臓で分解されますから、かえって肝臓に負担をかけることになります。良質の植物性たんぱく質に富む豆腐を、植物油を使った料理などにすれば、まさに健康的な酒の肴といえるでしょう。


4.豆腐の名パートナー
かつおぶしを添えるとたんぱく質がパワーアップ
冷や奴や湯豆腐という、豆腐のもっともおなじみの食べ方には、かつおぶしがつきものです。 これは、かつおぶしのうまみを加えて、豆腐をおいしく食べるためでもありますが、栄養の面からみてもじつに合理的な食べ方なのです。

大豆は、必須アミノ酸がバランスよく含まれた、たいへん良質のたんぱく質源です。しかし、そのなかで不足しているものに、含硫アミノ酸と呼ばれる、メチオニンとシスチンという必須アミノ酸があります。これさえ加われば、たんぱく質に関しては鬼に金棒というところです。

その金棒に当たるのが、じつはかつおぶしなのです。かつおぶしのたんぱく質にはメチオニンもシスチンもたっぷり。豆腐の栄養素の不足を補ってくれる、名パートナーといえます。

ところで、含硫アミノ酸が多く含まれる代表的な植物性食品に、ごまがあります。ごまはたいへん栄養価の高い食品で、昔からスタミナづくりや長寿のための滋養食として知られていました。 かつおぶしの代わりにごまを加えても、たんぱく質のアミノ酸バランスはよくなります。ただし、ごまは、粒のままでは栄養が吸収されにくいので、すってから豆腐にふりかけたり、あるいはごまだれを作って、サラダ風にして食べるなどするといいでしょう。

冷や奴の友・ねぎはビタミン豊富で食欲を増進させる
冷や奴はもちろん、刺し身、みそ汁、そば、うどんなどさまざまな料理に日本人が何げなく添えてきた薬味は、素材や料理の味をひきたてるのに役だっているほかその名のとおり、毒消しや薬のような効果も担っています。

冷や奴の代表的な薬味にねぎがあります。このねぎには発汗作用、簡単に言ってしまえば、体を温かくする効果があるのです。つい冷たいものばかり食べて体を冷やしてしまいがちな夏、消化のよい豆腐にねぎのコンビは夏パテ予防の強い味方となってくれるでしょう。

また、ねぎには、豆腐に少ないビタミンAやCがたっぷり含まれています。ねぎのにおいの成分である硫化アリルは、豆腐に豊富なビタミンB1の吸収を高めてくれますから、栄養上もたいへんありがたい薬味です。さらには硫化アリルが消化液の分泌を高め、食欲を増進させます。

バラエティに富んだ薬味で健康効果もプラス
もうひとつ忘れてならない冷や奴の薬味に、おろししょうががあります。しょうがにはたいへん強い殺菌効果があるので、食品が腐敗しやすい暑い時期には、とくに必要な薬味でしょう。またねぎと同じように発汗作用があり、昔から健胃効果があるとしても有名です。そのほか大脳皮質を興奮させる作用もあり、それによって体全体の新陳代謝を促す効果があります。

初夏から夏にかけては、旬の青じそも食欲を増進させてくれます。青じそにも、しょうが同様の強い殺菌力と防腐力があります。そのため、なま物である刺し身などによく添えられているのです。またビタミンA、B、Cや、カルシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいますからたいへん健康によい薬味です。 青じそほどではありませんが、やはりビタミンやミネラルが豊富なものに、みょうががあります。みょうが独特の芳香も、淡白な豆腐によくマッチします。

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