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1.大豆製品でもっとも栄養のあるゆば

ゆばは豆腐、豆乳と並んで伝統的な大豆加工品のひとつです。室町時代には豆腐上物(とうふうわもの)といい、中国では豆腐皮(ドウフウピー)と呼ばれています。

日本では日光ゆば、京都の東寺、比叡など、禅僧の精進料理の中で発展してきた食べ物ですが、これは豆乳に含まれる大豆のタンパク質が加熱によって変化してできる皮膜であり、大豆のタンパク質50%以上、脂肪分約28%が含まれています。消化もよい食品ですが、すくいとるに従って糖質が増え、質も落ちていきます

淡い黄色とやわらかな風味、独特の歯触りが好まれ、生ゆばは刺身、干したゆばは中に具を巻いた煮物や蒸し物、揚げ物などの料理に使われています。生ゆばの場合はできたてほどおいしく、保存は冷蔵庫でも2~3日。干物は湿気を注意すれば半年は持ちます。ゆば料理は生ゆばが刺身、そのほか、ゆばのしゅうまいやゆばの炊き込みご飯に干物が登場します。

2.おからの食物繊維は腸を活発にする

全国の豆腐製造業者は16804軒、豆腐に使われる年間の大豆は50万トン弱で、その1.3倍の重さのおからが出ているのですが、これらのほとんどが利用されることなく捨てられているのが現状です。30年くらい前はおからもよく売れていたみたいですが、年々食生活が豊かになり、近年はあまり食べられなくなっています。

でもいま新たにその栄養効果がクローズアップされているのです。 おからは大豆を磨砕し加熱した後、豆乳をしぼりとった残りかすですが、大豆の繊維がほとんどそのまま残っているのです。食物繊維は、便通をよくし有害物質の腸内滞留を防ぐほか、高コレステロールやその予防にも効果が期待されています。

おからの成分は繊維質だけではなく、大豆の皮や胚芽部分などのタンパク質、脂質なども豆腐ほどではないけど含まれています。大豆の皮や胚芽にある微量成分も移行していることから、栄養が高いだけでなく、機能性食品でもあり、健康食品として見直されています。

豆腐には腸内浄化などの働きがあるといわれているので、おからと一緒に食べればその効果は数倍も高くなるのです。

3.がんもどきとひりょうずはまったくちがう物だった

よく炊き込んで煮汁のしみた野菜との炊き合わせにしたり、おでんの具として欠かせない「がんもどき」は、関西では「ひりょうず」と呼ばれています。

つなぎのくず粉ややまいも、そしてくずした豆腐以外には何も入らないシンプルな円型のものから、ひじき、にんじん、ごぼう、ぎんなん、きくらげなど、さまざまな具が入って栄養豊富で、彩り鮮やかなボール型のものまで種類もいろいろあります。豆腐加工品の中では華やかなたぐいの食材といえるでしょう。

いまでこそ同じ食べ物と判断されている「がんもどき」と「ひりょうず」だが、もともとはまったく別の食べ物だったのです。

がんもどきは、油揚げと同様、江戸時代に揚げ物のひとつとして考案されたものと思われます。 その名前は漢字で「雁擬」と書き、味が雁の肉に似ているところからつけられたとされています。戒律の厳しい当時の僧侶たちの肉食への憧れだったとも考えられています。

一方、ひりょうずは漢字で「飛竜頭」と書きます。「ひりょうず」はむかしは小麦粉を油で焼いた菓子、またはもち米を揚げたものといわれ、ポルトガルから日本に伝来した菓子のことです。名前を「フィリオース」といったそうです。この「フィリオース」を漢字におき換えて、「飛竜頭」と当て字にしたといわれ、ポルトガル語に由来するとされています。

このほかに形が竜の頭に似ていることから、その名がついたという説もあります。これがどのようにして「がんもどき」と同じ食べ物になったのか、いまだに謎につつまれています。

4.油揚げ

豆腐を薄く切って揚げたものを油揚げ、厚く切って揚げたものを生揚げまたは厚揚げといいますが、揚げ物を作るときの豆腐は、一般に市販されている豆腐とは異なります。 大豆の漬け方からニガリの混ぜ方など、ちょっとした部分にちがいがあり、専用の豆腐で揚げると、油揚げの場合、揚げている間に大きく横へ広がっていくのです。

油揚げを作るときは、2度揚げしましょう。最初は低温でスライスした豆腐を四方に広げ、次に高温できつね色にするのが理想的です。生揚げは厚目に切った木綿豆腐を水切りし、高温の油で揚げたものです。

どちらも油で揚げてあるため、煮物や汁物に使うと料理にコクとうま味を加えることができます。むかしの人は比較的脂肪を摂取する食材を手に入れることがむずかしかったために、油揚げや生揚げなど油を使った惣菜で脂肪を補給していたともいわれています。

これらはこのまま使ってもいいが、軽く湯通しをしたり、熱湯をまわしかけたりすると、特有の油っぽさがとれるので活用しましょう。 油揚げはそのまま焼いたり、せん切りにして煮物や炊き込みご飯などに使うこともできます。生揚げはそのまま焼いたり、煮物にして食べるほか、おでんなどのなべ物に入れることもできます。


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