目次

1.がん抑制効果が期待される話題の大豆サポニン

大豆や大豆食品をよく食べるのは、日本以外にも、インドネシア、中国、台湾などがありますが、これらの地域では、がんのうちでも肺がんや大腸がんが少ないというデータがあります。

アメリカなどのベジタリアン(菜食主義者)も、たんぱく質源を肉の代わりにおもに大豆でとっており、やはり彼らにも肺がんや大腸がんが少ないのです。

これらの人々には、大豆をたくさん食べるという共通性があることから、大豆にこれらのがんを抑制する何らかの働きがあるだろうということが、以前から予測されていました。

大豆のどの成分に抗がん作用があるのかが問題でしたが、東北大学農学部のグループの最近の研究によって、それがわかってきました。まず大豆に含まれるサポニンにDDMPというものが付いているのを発見し、これを「DDMPサポニン」と名付けました。

このDDMPサポニンで、微生物を使った「抗変異原性試験」を行い、発がん抑制効果を調べたところ強い作用を示したのです。そのため現在、この物質に抗がん作用が期待されています。

サポニン自体は、これまでにも化学組成などがさまざまに研究され、同じサポニンでも多くの種類が発見され、A、BおよびEグループに大別されていました。このうちAグループは、種子の胚軸部だけにあって、もっとも不快味が強く、大豆食品をたくさん食べにくくしている犯人でした。

そのため、古くから加工過程で除かれてきたのです。これに対し、BグループとEグループは、種子全体に分布していますが、実際にはDDMPサポニンとして存在していることが明らかになり、その働きが注目されています。


2.がんを転移させないように働くイソフラボン
イソフラボンががんの動きを封じる効果はそれにとどまりません。がんの死亡率を低下させているもう一つの大きな働きがあるのです。がんの怖さは、増殖し、転移することで、さまざまな臓器本来の働きが損なわれていくことです。逆に考えれば、がんができても大きくならず、1mm前後の大きさでとどまっているかぎりは、怖るるに足らず、がんと共生して寿命をまっとうすることもできます。

がんが2~3ミリ以上に大きくなるときには、栄養を得るための新しい毛細血管が必要になります。このようにつぎつぎと毛細血管をつくるがんはたちの悪いがんで、どんどん大きく、それも速いスピードで大きくなります。

血管がはりめぐらされていくと、それを伝わっていろいろなところに転移します。全身に転移しはじめると、多臓器不全で命を落とす結果になります。ということは、がんを転移させなければいいわけです。それがイソフラボンならできるのです。

イソフラボンは、がん細胞が新しい血管をつくるのを防いでいることがわかりました。血管がなければ、がん細胞には栄養がいきませんからおとなしくしているしかりません。兵糧攻めにあって、小さいままじっとしているしかありません。

老衰など天寿をまっとうした方々に献体いただき、解剖させていただくことがありますが、そういう方々にがんが見つかることがあります。このような増殖・転移することなく本人と共生し、ともに寿命を迎えたがんを「天寿がん」と呼んでいます。大豆を食べていれば、がんすらもう怖くないといえそうです。



3.大豆イソフラボンが乳がんの発病を抑える
さて、2003年6月に、「みそ汁を1日3杯以上飲むと乳がんの発生率が40%下がる」という研究結果が厚生労働省の研究班から発表されました。

これは、日本での10年間の追跡調査の結果、得られたデータです。岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県石川という4地域に住んでいる40~59歳の女性約2万人に、生活習慣についてのアンケートに答えてもらい、その回答から、とくに大豆の摂取量と乳がんの関係に注目して調査、分析した結果をまとめたものです。

アンケート項目のなかにある「1日にみそ汁をどのくらい飲みますか」「1日に大豆、豆腐、油揚げ、納豆をどれくらい食べますか」という項目から、大豆を摂取している量を把握して、その後、その人たちに乳がんが発生したかどうかを10年にわたって追跡調査し、関連を調べたところ、みそ汁について、統計的に意味のある相関関係が認められたということです。

つまり、みそ汁をほとんど飲まない人の乳がん発生率を1とすると、3杯以上飲む人の発生率は0.6、つまり40%減という結果が得られたのです。

この報告では、大豆摂取量からさらにイソフラボンの量を計算し、同じく乳がん発生率との関連を調べていますが、やはり同じような相関関係をみつけて、イソフラボンをたくさんとればとるほど、乳がんになりにくいという結論に達しています。そこで、乳がんを予防するために、みそ汁だけでなく大豆製品をバランスよくとりましょうと提言しているのです。

海外でも最近では、殴米とアジアとのかかりやすい病気の違いを生活習慣、とくに食習慣の違いから解明しようという試みが増えていて、そのなかでも大豆が注目されることが多くなっています。さらに、大豆に含まれるイソフラボンという成分は、いまや国際的にも大きな関心を集めています。

その一つのきっかけとなったのが、アメリカ国立がん研究所(NCI) のある研究 プログラムです。それは、がん予防効果、抗がん効果の可能性のある食品および食品成分を研究しようというもので、「デザイナーフーズプログラム」と名づけられています。研究内容は、食品と健康、とくにがんをはじめとする病気と植物性化学物質の予防効果を中心としています。

植物性化学物質はフィトケミカルと呼ばれ、いわゆる栄養素ではないけれども、生物に対して生理的になんらかの働きかけをする植物成分のことです。そうした食品のなかでも、もっとも重要度の高い食品として大豆が位置づけられました。そして、その大豆に含まれる植物性化学物質がイソフラボンなのです。


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